従業員がいなくなった時の社会保険・労働保険の手続き
サイトへお越しいただきありがとうございます。
秋葉原の社会保険労務士 鈴木翔太郎と申します。
従業員を雇用していたけれど、全員が退職して社員がゼロになることがあるかもしれません。
社会保険・労働保険の事務手続きはどうなるのでしょうか。
今回は、従業員がいなくなったときの手続きについてご紹介いたします。
従業員がいなくなった時の社会保険・労働保険の手続き
今回想定される状況は、雇用している従業員がゼロになり、社長・役員だけになり会社は存続しているというケースです。
(※従業員の個別の資格喪失手続きは、終っているものとします)
会社を閉鎖した時とは状況が変わりますので、ご注意ください。
従業員がいなくなったときは、社会保険と労働保険の手続きは必要になるのでしょうか。
※ 記事内では、健康保険と厚生年金を「社会保険」、労災保険と雇用保険を「労働保険」と記載します。
社会保険は、社長・役員のみ加入で継続し、労働保険は、廃止手続きをします。
各保険ごとにご紹介いたします。
社会保険は、社長・役員のみ加入で継続
社会保険については、従業員が全員資格喪失しても、社長・役員は加入をしているかと思います。
そのため、特に会社としての手続きは必要なく保険関係は継続されます。
算定基礎届などの手続きも引き続き必要になります。
労働保険は、廃止手続き
労働保険は、雇用される労働者が対象となる保険です。
そのため、従業員がゼロになった場合は廃止の手続きが必要になります。
必要な手続きは…
①労働保険料の清算・廃止手続き
②雇用保険の廃止手続き
となります。
次の項で、手続きを解説いたします。
「労働者なし」で労働保険の廃止手続き
ここからは、従業員がゼロになったときの労働保険の廃止手続きについてご紹介いたします。
労働保険料の清算・廃止手続き
労働保険の廃止手続きでは、保険料の清算が必要になります。
毎年、6-7月に手続きをする労働保険料の申告・納付(労働保険の年度更新)で、概算保険料を納付しているかと思います。
その概算に対して、廃止時点までの保険料を確定清算させます。
例えば
令和6年9月30日で従業員がゼロになった場合、令和6年4-9月までの賃金を元に確定清算をします。
作成をする様式は、年度更新の時も使用する保険料の申告書です。
インターネットからダウンロードはできませんので、労働基準監督署でお取り寄せください。
年度更新との違いは…
- 事業廃止等理由欄へマーク
- 概算保険料は不要
という点があります。
保険料申告書の右下(24欄)に「事業廃止等理由」という欄があります。
従業員ゼロで廃止するときは、労働者なしへマークをします。
また、今回は確定清算をするだけなので、概算保険料の記入は不要です。
既に支払った概算保険料に対して、確定保険料が多いときは、不足分を納付します。
逆に概算額より確定額が少ないときは、還付請求書を作成します。
雇用保険の廃止手続き
労働保険の廃止とは別に、雇用保険の廃止手続きをする必要があります。
提出をする様式は、「雇用保険適用事業所廃止届」です。
こちらは、インターネットでダウンロードできます。
事業所廃止理由のところへ、「従業員なし・労働者なし」など記入します。
法人閉鎖の時は、登記簿を添付しますが従業員なしの時は特に添付資料は不要です。
従業員ゼロが一時的な場合
従業員がいない状態が一時的で、また雇用をする予定があることもあるかもしれません。
そういったときは、各種廃止手続きは不要となります。
一度廃止した後に再度雇用をすると、成立手続きをもう一度することになるのでご注意ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
従業員がいなくなった時の社会保険・労働保険についてご紹介いたしました。
従業員がいなくなったときは、ぜひご参考ください。
今回ご紹介の各種手続きなど、社会保険のお手続きは社会保険労務士へお任せください。
書類の作成・提出まで代行をさせていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
秋葉原の社会保険労務士(社労士)事務所です。社会保険・労働保険の事務手続き代行を中心に活動しています。日々の事務手続きや起業時の各種お手続きなどお困りの際はぜひご相談ください。秋葉原を中心に御徒町・岩本町エリア等で社労士をお探しの企業様、お気軽にお声かけください。