【月額変更届の可能性】各種手当を廃止した時の社会保険料の影響

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秋葉原の社会保険労務士 鈴木翔太郎と申します。

基本給とは別に扶養手当などの諸手当を支給することも多いかと思います。

諸手当が廃止されたときは、社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金)に影響は出るのでしょうか。

今回は、手当を廃止した際の社会保険料の影響をご紹介いたします。

【月額変更届の可能性】各種手当を廃止した時の社会保険料の影響

例えば、子供を扶養に入れて扶養手当を給与で受け取っていた社員がいたとします。

その子供が就職して扶養から外れると、扶養手当も廃止されるかと思います。

そういったときは、社会保険料に影響は出るのでしょうか。

月額変更届(随時改定)により、保険料が下がる可能性があります。

社会保険料は、標準報酬月額という金額を元にして決まります。

手当の廃止で報酬額が減った場合、随時改定に該当して保険料が下がる可能性があります。

手続きは、月額変更届という書類を提出することになります。

随時改定は、昇給などによる上がり改定が多いのですが、下がることもあります。

要件に該当したら、忘れずに月額変更届を提出する必要があります。

月額変更届(随時改定)の要件を確認

月額変更届の要件は3つあります。

  1. 固定的賃金に変動があったこと
  2. 変動月からの3カ月間に支給された報酬平均月額に該当する標準報酬月額と、改定前の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じたこと
  3. 3カ月とも支払基礎日数が17日以上であること(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)

要件のうち1.が手当の廃止とイコールになります。

3.は月給者なら歴日数を元に算出され、時給者は出勤日数を元にカウントします。

肝になるのは、2等級以上の標準報酬月額の差となります。(※上限下限の等級のときは、例外的に1等級でも改定されます。)

手当の廃止があっても、2等級以上の差がなければ随時改定はしません。

年金機構や健康保険の等級表で確認ができます。

ここでの3か月間の各月の報酬は残業代等の非固定給与も含めて判定をします。

手当が廃止されても残業が多いなどの状況では、改定されない可能性があります。

なお、この場合は、手当の廃止=報酬の低下が契機となっているため残業が多くて2等級上がったとしても、上がり改定はされません。

1等級しか変動がなかったら?

月額変更届(随時改定)の要件の一つは、2等級以上の標準報酬月額の変動となります。

手当が廃止されて報酬額が減ったのに、1等級しか変動がないと随時改定はされません。

保険料は、ずっと変わらないのでしょうか。

月額変更届の要件に該当しなかった場合は、定時決定で変更される可能性があります。

定時決定とは、毎年4月5月6月の報酬を元にした社会保険料の見直しです。

月額変更届に該当しなくても次の定時決定で保険料が改定される可能性があります。

ただし、定時決定は残業代なども含めて算定されます。

対象の期間の残業などが多いと標準報酬月額が変更されないこともあり得ます。

まとめ ~社会保険のお手続きは社労士へ~

いかがでしたでしょうか。

手当を廃止した際の社会保険料の影響についてご紹介いたしました。

手当を廃止した際の社会保険料
  • 各種手当が廃止されると、月額変更届(随時改定)により保険料が下がる可能性があります。
  • 標準報酬月額に2等級以上の差があるかを確認します。
  • 月額変更届に該当しなくても、定時決定で保険料が変更される可能性があります。

月額変更届の手続きの際など、ぜひご参考ください。

その他、社会保険・労働保険のお手続きは社会保険労務士へお任せください。

各種お手続きを代行いたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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